レンタルプリンターの費用を徹底比較|月額・カウンター料金・隠れコストの見える化

レンタルプリンターの費用比較

レンタルプリンターの費用はどう決まるのか

月額料金を構成する3つの要素

レンタルプリンターの月額費用は、一般的に以下の3つの要素で構成されています。

  1. 機器のレンタル料:プリンター本体を借りるための基本料金です。機種のスペック(カラー/モノクロ、A4/A3、印刷速度、複合機能の有無)によって月額5,000〜40,000円程度まで幅があります。
  2. 消耗品費(トナー・インク):定額制サービスでは月額に含まれているケースが大半です。カウンター制の場合は印刷枚数に応じて従量課金されます。
  3. 保守・メンテナンス費:故障時の修理、部品交換、電話サポートなどの費用です。定額制では月額に込み、カウンター制ではカウンター料金に含まれるのが一般的です。

「月額○○円」と表示されている場合でも、上記3つのうちどこまでが含まれているかはサービスによって異なります。たとえば、機器のレンタル料のみが月額表示で、カウンター保守は別途という構成のサービスもあります。見積もりの段階で内訳を確認することが、後から「こんなはずでは」を防ぐ第一歩です。

定額制とカウンター制──料金の動き方の違い

料金モデルの詳しい仕組みは総合ガイドで解説していますが、ここではコストの観点から両者の違いを整理します。

定額制は、毎月の支払額が固定されるため予算管理がしやすい反面、印刷量が少ない月でも同じ金額を支払います。実質的な「1枚あたりコスト」は、印刷枚数が多いほど安くなります。

カウンター制は、印刷した分だけ課金されるため、月によって支払額が変動します。印刷量が少ない企業では月々のコストを抑えられる一方、繁忙期に大量印刷すると請求額が跳ね上がる可能性があります。

OA機器の業界誌『OAナビ』でも、「プリンターの導入形態を選ぶ際は、まず自社の月間印刷枚数を把握し、定額制とカウンター制それぞれで年間総額を試算してから判断すべき」と指摘されています。どちらが安いかは、自社の印刷パターン次第です。

主要サービスの料金帯を比較する

定額サブスク型の月額レンジ

定額制のレンタルプリンターサービスでは、月額5,000〜43,780円(税込)という幅で料金が設定されています。以下は各サービスの公開料金に基づく整理です。

  • ウルトラプリント:月額5,000円〜(A4インクジェット)、9,900円〜(A3高速モデル)。契約縛りなし。(公式サイト
  • エコプリ:月額7,260円(月1,500枚)〜22,000円(月1万枚以上)の4プラン。RICOH製+日本製インク。(公式サイト
  • スリホ:月額8,000円〜。機種により初期費用0円〜39,800円。レーザーにも対応。(公式サイト
  • びっくりプリント:月額8,800円(月3,000枚)〜19,800円(無制限)。初期費用0円。(公式サイト
  • プリント革命:月額8,800円(税込)〜43,780円(税込)。ライト/ベーシックで消耗品提供量が異なる。(公式サイト
  • プリント放題:月額7,000円〜19,000円(税別)。フリー/バリュー/リミテッドの3プラン。顔料インク採用。(公式サイト

月額の数字だけを見るとウルトラプリントが最安に見えますが、印刷上限枚数や契約期間、消耗品の提供範囲はサービスごとに異なります。「月額が安い=トータルで安い」とは限らない点に注意が必要です。

カウンター保守型の基本料+単価

カウンター保守型は、機器のレンタル料とは別に、印刷枚数に応じたカウンター料金が発生する料金体系です。

  • レンコピ:基本料金5,000円/月+モノクロ5円/枚、カラー25円/枚。上位プラン(基本料金8,000円/月)ではモノクロ4.5円、カラー23円に単価が下がる。本体レンタル料は別途見積もり。(保守料金ページ
  • コピー機レンタル.com:カラー30円(税込33円)/枚、モノクロ5円(税込5.5円)/枚、月額最低保守料金3,000円(税込3,300円)。日額・月額のレンタル料は機種別。(公式サイト
  • ジムテック:月額5,000円〜(税別)+カウンター料金(トナー代・保守メンテ費込み)。搬入搬出費は東京23区で20,000円(税別)。(公式サイト

カウンター保守型は、印刷量が月によって大きく変動する企業や、大型の複合機が必要な場合に候補になります。ただし、本体レンタル料+搬入設置費+カウンター料金を合算しないと実質コストが見えないため、見積もりの取得が必須です。

料金だけでは見えない「実質コスト」

レンタルプリンターを比較する際、月額の数字だけを見ていると判断を誤ります。実質コストを正確に把握するには、以下の項目を含めた「年間総額」で比較する必要があります。

  • 月額料金 × 12か月
  • 初期費用(搬入・設置・設定費)
  • カウンター料金(該当する場合:月間印刷枚数 × 単価 × 12か月)
  • 解約時の費用(解約金+返却送料+撤去費)
  • オプション費用(訪問保守、サポートパックなど)

中小企業の経営コンサルタントとして活動する田中靖浩氏(公認会計士)は著書の中で、「月額固定のサブスクリプション型サービスは、『いくら使っても定額』という印象が先行しやすいが、解約条件や上限超過時のルールまで含めた"真のランニングコスト"を計算しなければ、合理的な比較はできない」と述べています。レンタルプリンターにもこの視点が当てはまります。

見落としがちな隠れコスト

搬入・設置・撤去費

定額サブスク型のサービスでは、宅配で届いて自分で設置するケースが多く、搬入費は発生しないのが一般的です。しかし、現場設置型のサービスでは搬入・設置費が別途かかります。

たとえば、ジムテックの短期レンタルでは東京23区内の搬入搬出費が20,000円(税別)と特商法表記で明示されています。エレベーターのないビルで2階以上に設置する場合は、階段作業の追加料金が発生する旨も記載されています。

撤去費も見落としやすいポイントです。レンタル終了時に業者が回収してくれるのか、自社で梱包して発送するのかで、手間とコストが大きく異なります。プリント革命のように「返送料無料」を明記しているサービスもあれば、返却時の送料が自己負担のサービスもあります。

印刷上限の超過料金

「印刷し放題」を謳う定額制サービスでも、約款を確認すると月間の印刷枚数に上限が設定されていることがあります。超過した場合のペナルティはサービスによって異なります。

  • 追加課金が発生するケース:プリント革命は、月間印刷枚数の上限(例:片面1万枚/両面5千枚)を規約で規定し、超過時は超過分のインク・トナー費用を請求すると定めています。
  • 自動プラン変更されるケース:スリホは、印刷枚数上限プランにおいて、上限を2か月連続で超過した場合に翌月から自動的にプランが変更される規定があります。

こうした規定は広告やトップページには目立たない形で記載されていることが多いため、契約時の注意点でも詳しく解説しています。

解約金・返却時の費用

レンタルプリンターのコストを見積もるとき、「もし途中でやめたらいくらかかるか」も計算に含めるべきです。各サービスの解約条件の例を整理します。

  • スリホ:契約期間途中の解約金は39,800円(税抜)。返却は解約日から14日以内。
  • プリント革命:初回契約期間(1年)満了前の解約は、残期間分の料金+往復送料が違約金として発生。
  • ジムテック:中途解約の違約金は請求しないとFAQで明記。
  • コピー機レンタル.com:レンタルの場合、解約金は原則無料とガイドで明記。

違約金なしのサービスと、数万円の解約金が設定されているサービスでは、短期利用の場合のトータルコストが大きく変わります。「1年は使う」と確信がある場合は長期契約で月額を下げ、不確かな場合は違約金なしのサービスを選ぶのがリスクを抑える方法です。

印刷量別のコストシミュレーション

ここでは、各サービスの公開料金に基づいて、印刷量別の年間コスト目安を試算します。あくまで公開情報ベースの概算であり、実際の費用は機種やプラン、個別の見積もりによって異なります。

月500枚以下──小規模オフィスの場合

社員5人以下のスモールオフィスで、月の印刷枚数が500枚程度のケースです。

定額制の場合:ウルトラプリントのA4プラン(月額5,000円)を利用すると、年間60,000円。1枚あたりのコストは約10円です。エコプリのスーパーライトプラン(月額7,260円)なら年間87,120円で、1枚あたり約14.5円。

カウンター制の場合:レンコピの基本プラン(基本料5,000円+モノクロ5円×500枚)で月額7,500円、年間90,000円。ただしこれに本体レンタル料と搬入費が加算されます。

月500枚以下であれば、定額制の最安プランがシンプルかつ割安になる傾向があります。ただし、カラー比率が高い場合はこの限りではありません。

月1,000〜3,000枚──一般的な中小企業の場合

社員10〜30人程度の中小企業で最も多い印刷量帯です。

定額制の場合:エコプリのライトプラン(月額10,780円、約3,000枚)で年間129,360円。1枚あたり約3.6円。スリホの月額8,000円プランは、月間耐久枚数約6,000枚の範囲内なら年間96,000円。1枚あたり(月2,000枚で計算)約4円。

カウンター制の場合:月2,000枚(モノクロ1,500枚+カラー500枚)で試算。レンコピの場合、保守料金だけで月5,000円+(1,500×5円)+(500×25円)=月額24,000円。年間288,000円。これに本体レンタル料が加算されます。

この印刷量帯では、定額制のコストメリットがはっきり出てきます。カラー印刷の比率が高い企業ほど、カウンター制との差が広がります。

月5,000枚以上──印刷量が多い部署の場合

営業部門、制作部門など、日常的に大量印刷を行う部署がある企業のケースです。

定額制の場合:エコプリのレギュラープラン(月額18,480円、約6,000枚)で年間221,760円。プリント革命のベーシックプラン(約10,000枚相当の消耗品付き)は月額22,000円前後〜で年間264,000円〜。

カウンター制の場合:月5,000枚(モノクロ4,000枚+カラー1,000枚)で試算。レンコピの上位プラン(基本料8,000円+4,000×4.5円+1,000×23円)=月額49,000円。年間588,000円(+本体レンタル料)。

印刷量が多い場合は定額制が圧倒的に有利ですが、定額制サービスの印刷上限を超えないかの確認が必須です。上限を超えると追加費用が発生し、コスト構造が大きく変わります。月1万枚を恒常的に超える場合は、リースとの比較も検討すべきです。

コストを最適化するための考え方

「月額の安さ」ではなく「年間総額」で比較する

レンタルプリンターを選ぶとき、多くの人は「月額いくらか」で比較します。しかし、実際に1年間使ったときのトータルコストは、月額だけでは決まりません。

年間総額を正しく比較するための計算式は以下のとおりです。

年間総額 = 初期費用 +(月額 × 12)+(カウンター料金 × 12)+ オプション費用

さらに、途中解約の可能性がある場合は、想定する利用月数で計算し直す必要があります。「月額8,000円だが解約金39,800円」のサービスを6か月で解約した場合と、「月額10,000円で解約金なし」のサービスを6か月使った場合では、前者が87,800円、後者が60,000円となり、逆転します。

カラー比率を把握してプランを選ぶ

印刷コストに最も大きく影響するのは、カラーとモノクロの比率です。カウンター制の場合、カラー1枚の単価はモノクロの5〜6倍が相場です。

たとえば月2,000枚印刷する企業が、カラー比率10%(200枚)の場合と50%(1,000枚)の場合では、レンコピのカウンター料金だけで月額4,000円以上の差が出ます。

定額制であっても、カラー印刷が多い場合はトナー・インクの消耗が早く、提供上限に達しやすくなります。社内で「本当にカラーで印刷する必要があるか」を見直すだけで、プランを1段階下げられるケースは少なくありません。

見積もりを取るときに確認すべき項目

2〜3社から見積もりを取る際に、漏れなく確認すべき項目を整理します。

  • 月額料金の内訳:機器レンタル料、消耗品、保守がそれぞれいくらか
  • 初期費用:搬入・設置・設定費の有無と金額
  • 印刷上限:月間の上限枚数と超過時の対応(追加課金か自動プラン変更か)
  • 契約期間:最低契約期間と途中解約時の費用
  • 返却費用:撤去費・返送料の負担
  • オプション:訪問保守、サポートパックなどの追加料金
  • 税込/税別:表示価格が税込か税別か(サービスによって混在しています)

これらの項目を揃えた比較表を作成すれば、「結局、年間でいくらかかるのか」を客観的に判断できます。中小企業向けのコスト削減術では、この比較表の作り方をより実務的に解説しています。